「夏行って、ってとこがポイントでしたね」
小高い場所にあるその多目的公園に汐音たちは立っていた。
夏に来て素敵だったのだろう、その場所から見下ろす街の夜景は、冬の澄んだ空気でより一層綺麗だったが。
……死ぬほど、寒かった。
テニスコートや遊具があって、日中は人で溢れているのかもしれないが、今は閑散としていて、黙々と歩いたり走ったりしている人の姿がポツポツ見える程度だ。
そんな人々を見ていた求が言い出した。
「じっとしてたら、凍死しそうだな。
ちょっと歩こうか」
「そ、そうですね」
ウォーキングしながら夜景を見るといいと言ってたもんな、と思いながら、ウォーキングコースを一緒に歩く。
だが、寒さがそうさせるのか、歩きやすく、走りやすそうな赤のゴムチップ舗装がそうさせるのか。
だんだんお互い早足になり、しまいには走り出していた。
「呑んで走ったら、酔いが回って死にませんかねっ?」
「その前に寒さで凍死するだろ、これっ」



