クリアしたあとも、ゲームの説明を受けながら、楽しく話していた汐音だったが、
「じゃあ、そろそろ失礼しますね」
と彼女たちは言ってきた。
「社長、お邪魔して申し訳ありませんでした。
お詫びに、夏行って素敵だった、夜景を見て、散歩できるコースをお教えします」
と求に言って、去っていってしまう。
室内に戻ると、有川が暖かい珈琲を用意してくれていた。
「今日はすまなかったな」
と求に言われた有川は、いえいえ、と微笑んだあと、
「狭間様。
こちらが代金になります」
と伝票を持ってきた。
もちろん、レジなどないので、こちらで払うようだった。
手書きのそれを見ながら汐音は言う。
「……あの~、三千円なわけないですよね?」
「初来店の割引でございます」
と有川は微笑むが、
いや、この店、今日しか営業してないですよね……と汐音は思っていた。
それとも、シェフの出張サービスとしてだろうか。
そんな感じでもないが、と思う汐音に、さっさと立ち上がりながら、求が言ってくる。
「ほら、汐音。
早く払え。
有川が車出してくれるらしいから、さっきあいつらが言ってたところに夜景を見に行ってみよう」



