「こんにちは」
汐音が話しかけると、その女性はビクッとして、怯えたように汐音を見上げた。
さっきまで求の側に居たはずなのに、いきなり自分の真横に現れたからだろう。
ちょっと高めのヒールを履いていたこともあり、思い切り、上から見下ろしてしまったせいもあるかもしれない。
「あっ、すっ、すみませんっ」
と他の木の陰からも、二人ほど身軽な格好をした女性が出て来た。
女性たちはペコペコと謝ってくる。
「すみません。
此処に来ること、社長には報告してなくて。
構えられたら、意味がないので。
日坂専務と、日坂専務が話を通してくださった有川さんには言ってあったんですけど」
と苦笑いする彼らは、求の会社の恋愛アプリゲームのチームのスタッフだということだった。
そして、有川さんというのは、あのイケメン給仕の人らしい。



