狙われてますっ!

 そのあと、汐音が子どもの頃、国の借金はすべてパンダだと思っていたという話になった。

「だって、パンダ、高いんですよね?
 二頭で年間、一億以上中国に払ってるって聞いて。

 国の借金は全部パンダなのかと思ってました」

 いや、子どもの頃の話ですよ、と念押ししながら、汐音は言う。

 パンダの話を繰り返しながら、汐音は、
 結構酔ってきたようだ。
 ヤバイな~、とそろそろ気を引き締めないと、と思っていた。

 そのくらいの理性は、なんとかまだあった。

 渡真利に釘を刺されていたからだ。

「潜入の仕事をしている期間は、俺は絶対酔わないぞ。
 お前も酔うなよ」
と。

「あ、あの、ちょっと酔い覚ましに外に出ていいですか?」

 そう汐音は求に訊いてみた。