狙われてますっ!

「じいさんは結構可愛がってくれてるんだ。
 俺は一族のはみ出しものだけどな。

 落ちこぼれなんで」

 ……ゲームアプリの会社の社長の何処が落ちこぼれなんだ、と汐音は思ったが。

 他の親族は一族が経営しているグループ会社にみんな就職しているらしい。

「俺はやりたいことをやりたいようにやりたかったんで。
 そういう枠組みから出て勝手にやってる、はみ出しものなんだ」

 今の会社は学生時代に仲間と立ち上げたものなので、立ち上げの際も今も、実家からの援助は受けていないと言う。

「楽しいんだ、今の仕事が。
 不安定は不安定だが。

 気の置けないメンバーばかりだし」

「そうなんですか」
と汐音が微笑んだとき、庭の木の陰にサッと誰かが隠れた気がした。

 なにかがこちらに近づいてきているような、と思いながら、汐音は少し目を細め、その木を見つめる。

 庭師の人だろうか。

 いや、庭師の人、隠れないよな、と思ったとき、

「どうかしたのか?」
と求に訊かれた。