狙われてますっ!

「地下工場ってなんだ……」
と問われ、誤魔化しようもないので説明すると、求は顔をしかめ、

「お前を地下に連れてってなにさせるんだ?」
と問うてくる。

「……なにかのラベル貼りとか、封筒の糊付けとか。
 傘張(かさは)りとかですかね」

「傘張りってなんだ。
 江戸の浪人か。

 それ、幾らになるんだ」

 ……ツッコミが厳しいな。
 ただの妄想なのに。

 この人、上司だったら怖い人かもしれないなーと思ったとき、求が溜息をつき、言ってきた。

「此処はうちのじいさんが別宅にしようと思って買って、そのままにしてたとこなんだ。

 だから、金はいらないぞ。
 礼は俺がしとくから大丈夫だ」

「いえ、そんな申し訳ない……。
 でも、そうなんですか、おじいさんの」
と汐音は天井の高い部屋の中を見回した。