その頃、求は悩んでいた。
どうやったら、汐音を食事に誘えるだろうかと。
いや、メールのやりとりなんかはしているので、いつでも誘えばいいようなものなのだが。
……きっかけがな、と求は頭を抱える。
あのなにも考えてないような瞳で、
「え? 食事ですか?
なんでですか?」
とか訊き返されたら、どうしたらっ!? と思っていた。
汐音がこの妄想を覗いていたら、
「……いや、なにも考えてないわけじゃないんですけど。
っていうか、その妄想の私、かなり莫迦っぽくないですか?
誰なんですか、それ。
加倉井さんの中の私、なんかいろいろ間違ってませんか?」
と言ってきそうだったが。
ただ、自分がイメージしている自分と、人が抱いている自分のイメージが違っていたとして。
必ずしも、自分の方が合っているとも限らないのだが……。



