狙われてますっ!

 ……いや、みんなにとっては普通のことかもしれないが、と思いながら、汐音はひとり部屋でスマホを眺める。

 求から来たメッセージがそこにあった。

 いや、なんてことない内容なのだが。

 求からメッセージが届いたというだけで、汐音はどきりとしてしまう。

 スマホの画面を眺めながら汐音は思った。

 この間、加倉井さんと出かけたの、ちょっとデートっぽかったな。

 それは、私には今まで訪れることがなかった、みんなの『普通』だ。

 今まで、気持ちいいくらい、恋愛には縁がなかったからな……。

 (しげる)は、ほぼ兄のようなものなのだが。

 その繁と結婚するのでは、と親に疑われるくらい、他に男性の影がなかったようだ。

 うーん。
 男の子の友だちも結構、うちに遊びに来てたはずだけど。

 親から見て、誰も怪しくなかったんだろうな~……。

 そんなことをひとり寂しく考えながら、汐音は今日もおむすびを握っていた。