それに、だ。

瀬川くんたちは周りの男子からも女子からも話しかけられている。
前の席の瀬川は楽しそうに、後ろの席の瀬川くんはちょっとめんどくさそうに受け答え。

友達がまだいない私は、あんなに人気者な瀬川くんたちに、近寄るのも恐れ多い。

絶対!!ジャージ貸してくれた瀬川くん以外は、あんた誰?ってなるし。

女子からの痛い視線も受けたくない。



うわー…と頭を抱えていたところで。

とんとん、と右肩を叩かれた。


「大丈夫?」


憧れの、さらっさらの黒のロングヘア。
くりくりの大きい瞳。

え!可愛い…!!!!