そしてさらに思い出す。 私の学校は、各学年でジャージのラインの色が異なることを。 肩から手首までのラインの色は、赤。 ベースの紺の色によく映えている。 間違いない、同じ、1年生。 なら簡単だ。 瀬川って名字はそんなに珍しくはないけれど、よくある名字でもない。 顔は覚えているし、各クラスを回れば、見つけられる。 安堵しながら、ジャージを丁寧に畳む。 「…瀬川くん」 あの笑顔を思い出すと、ちょっと、胸がきゅっとした。