「えと、ありがとう…」


と言い終わる前に、振り返った涼くんに。



ぎゅっと優しく抱きしめられる。



…びっくりして、涙が引っ込んだ。


「ばか、中学のとき同じようなことあったんだろ。
素直についていくなよ」



耳元でそう言われ、「ん」とくすぐったくて顔を少し、涼くんから離して。

「まさか、こんな展開になるなんて思ってなくて」

と呟く。


中学生より怖いね、と少し冗談ぽく言うと。

またぎゅっと、抱きしめる力を込められる。