自己嫌悪とため息を繰り返しながら学校に着くと。
「ちょっといい?」と女子ふたりに呼び止められた。
ホームルームまでの時間ならと、ついていくと。
玄関横のみんなからちょっとした死角になる、自動販売機のあるスペースで止まる。
奥の壁側に立ち「同じクラスの田中さんと上戸さんだよね、どうしたの?」と言うと。
正面から睨まれた。
「どうやって、すみれに取り入って瀬川兄弟と仲良くなったの?」
田中さんの鋭い視線が突き刺さる。
「どんなにすみれに遊びに誘ってほしいって頼んでもダメだったのに。
知り合ったばかりの三石さんがなんで、一緒に遊びに行ってるの?」
上戸さんが茶色の髪をくるくるしながら、言う。