瀬川くんのジャージ



「えっと…あ、そろそろ帰ろうかな?」


遅くなると親が心配するし、と声が震えないよう微笑みながら言う。


「涼くん、キーホルダーありがと。
すみれちゃんと爽くんも楽しかったよ!
また、みんなで遊ぼ」


と、なんとか言い終えて。
バイバイと手を振り歩き出した。


「待って!」



ぎゅっと左腕を掴まれ振り返ると、涼くんで。


なにか言いたげな顔をしてるけど、今はそんな余裕ない。



「…離して。


好きな子いるなら、思わせ振りなこと、しないでほしかった…な。」

うるうると目に溜まった涙を堪えるのに必死で。

最後の涼くんの顔はよく見えなかった。