「うわー…」


壮観だ。
建物に入ったときに、1回見たけど。
改めて見ると、ぎっしり詰まってるゲームの数々に、わくわくする。


「どれからする?」の言葉に、右手でUFOキャッチャーを指差そうとしたところで。

…手を繋いだままなことを思い出す。


急に恥ずかしくなって、手の力を緩め離そうとしたところで。


ぎゅっと力を込められる。


え、と隣を見上げると。


「……もうちょっとだけ」

そう、ぶっきらぼうに言う涼くんが、じっと私を見つめていた。