「雨ちゃん、おはよ」


 望愛は、二人から抜け出し

 わざわざ僕のところまで、
 駆けてきてくれて


「久々に晴れたね」と、微笑んでいる。




 うわぁぁ。

 望愛の笑顔、キュートすぎ。



 久々の太陽が、嬉しいの?

 
 この笑顔が見れるなら、

 僕の部屋中に
 テルテル坊主をぶら下げちゃうよ。



 

 僕が望愛の手を、繋ごうとした瞬間。


「ひゃっ、お弁当忘れちゃった!」


 自分の家に駆けこんでいったから

 行き場を無くした僕の手が、
 宙をブラン。



 望愛の手を繋ぎたかったのに……



 それを見て、
 二人の悪魔がニヤニヤ笑っている。