抱きしめる腕に、力を籠め

 僕は、望愛の耳元でささやいた。



「僕の甘ったるい愛で、
 望愛のことを、ダメダメにしちゃうと思うけど」



 望愛を幸せにしたいって気持ちは、
 誰よりも強い自信だけはあるから。



「望愛、僕だけのものになって」



 一生、僕の隣で笑ってて。



「望愛、大好きだよ!」


 


 墓石の上の、ジョーのノートが
 風でペラペラめくれていく。



 まるでジョーが、
 僕と望愛を祝福しているようで


 僕はその音を聞きながら、
 望愛をさらに強く抱きしめた。