そして、あれよあれよという間に駅が見えてきた。

先に行った皆はだるまさんが転んだをして遊んでいる。

賑やかで楽しい。

赤とオレンジと黄色が混ざり合ったような明るいオーラを放っていた。

そんな皆を見ながら、私は独り言のように呟いた。


「私を...仲間に入れて下さり本当にありがとうございます。それと、色々と心配して下さり、ありがとうございます」

「急にどうした?」

「思った時に言わないとな、と思ったので」

「そっか。なら、俺も...」


志島くんが歩みを止めた。

私も驚いて急ブレーキをかけた。

心臓に悪い。

穏やかだった波が

静かに

けど確かに

寄せてきた。


「夏目さん」

「はい」

「あの......」

「お~い!おっせ~ぞ!」

「置いてくよ~」


私は手を軽く手を振り、志島くんと再度向き合った。

だけど...手汗が大量に出てくる。

ハンカチを取り出し、握りしめる。

なんでこんなに汗が出るんだろう。

なんでこんなに胸が苦しいんだろう。

なんで...。


その答えが出る前に、

志島くんの口が動いた。