私がまだ好きなこと、君は知らない


高校生になって、引きずりすぎても仕方ないと、彼を忘れようと、彼氏を作ったことがあった。
でもやっぱり忘れられなくて、別れてしまった。


そんなある日、彼に恋人がいるという噂を耳にした。


あの恋を忘れられなくて、2人で過ごした時間を宝物のようにしていたのは私だけで、彼はとっくに私とのことは思い出にして、前に進んでいたのだ。


嫌いとは言われていない。
でも恋人がいるという現実が、お前のことはなんとも思っていないと言っているようだった。


数年遅れの、彼からの答え。


これなら直接嫌いだと言われたほうが、まだマシだと思った。


しかし、これでやっと、彼への気持ちがなくなる。
私はそう思った。


それなのに、彼と過ごした時間が頭に流れて、私は彼を忘れることができなかった。
忘れるどころか、彼への思いが溢れるばかりだった。


9年経った今でも、私だけ、あの日のまま時間が止まっている。


だけど私は、これからもあの日の私たちと、彼への気持ちを大切にしていくだろう。

彼を思い出にしてもいいかな、と思わせてくれるような人に出会うまで。