《では、次の回答者は花島浩二さんです!》


その言葉を合図に3週目が始まったことを知った。


あたしは浩二の視線から逃れるようにステージへと目を向けた。


《まずは大切なものです!》


そう言ってテーブルに乗って来たのは……。


人間、だった。


あたしは唖然としてテーブルの上に座る男を見つめた。


年齢はあたしたちよりも少し上くらい。


見たことのない顔で、ガッチリとした体格をしている。


午前の部で人間が拘束されていたから、あたしたちの時でもいずれそうなるかもしれないと感じていた。


その予感は的中してしまったのだ。


「くそっ! なんだよこれ!」


大切な物として拘束された男は必死でもがいている。