「ちょっと、大丈夫!?」


友香のそんな声が聞こえてきて、あたしはハッと我に返った。


思い出したくなんてなかった。


でも、骨壺を見るとどうしても思い出してしまう映像だ。


気が付けば、あたしは肩で大きく呼吸をくりかえしていた。


「ごめん……平気」


《おやおや、大丈夫ですか? どうやらよほどのトラウマがあるようですね》


アナウンスの楽し気な声に苛立つ余裕もなかった。


大好きな祖母の最期は、人間とは思えない悲惨な有様だった。


大好きなのに、思い出すたびにひどい吐き気がする。


《でも、そろそろ答えていただきましょうか》


「……自殺」


あたしは枯れた声でそう返事をした。


3人があたしを見ているのがわかる。