炎の奥から出て来た人物もまた、黒こげの状態だったのだ。


黒く焼けた肌の奥から、赤い肉がはみ出している。


右目を支えていた皮膚が溶け落ち、眼球が飛び出している。


動いたことで眼球がコロリと転げ落ちそうになったが、辛うじて体内組織と繋がっていたため、その人物の頬辺りで空しくぶら下がる。


「いや……来ないで!」


眼球をぶら下げた黒こげの人物はゆっくりとあたしに近づいて来た……。