あたしの回答に他の3人が驚いた顔を浮かべている。


あたしだって、自分の兄が犯罪者になるだなんて思ってもいなかった。


兄が犯罪を犯さなければ、こうして転校してくることだってなかったのだ。


《正解です! 答えにくい問題を、しっかりと答えていただきました!》


あたしは手袋を乗せたテーブルがゆっくりと下降していくのを見て、ホッと息を吐きだした。


絶縁状態の祖母が作ってくれた、大切なものだ。


「犯罪って、なにしたの」


そう聞いて来たのは友香だった。


本当は言うつもりなんてなかった。


前の学校ではすぐに噂が広まり、近所からも白い眼で見られ、逃げるようにここへ来たのだ。


自分から立場を悪くするようなこと、絶対にしないと誓っていた。