ファイヤークイズ午後の部

《決まりました! 1番は花島浩二さんです!》


アナウンスの声が一際大きくなり、浩二が青ざめた。


午前と同じなら、あたしたちは全員がクイズの回答者となる。


でも、1番最初はやっぱり心細いだろう。


どんなクイズを出されるかわからないから、覚悟がいる。


《では、さっそくまいりましょう! 花島浩二さんの大切なものはこちら!》


アナウンスの言葉に浩二は1度目を閉じ、そしてゆっくりと開いた。


もう青ざめていない。


精神力の強さだろうか、切り替えの早さに驚いてしまう。


ステージ中央を見ているとテーブルがせり上がって来て、そこにはギターが一本置かれていた。


遠目から見てもギブソンという有名ブランドのものだとわかる。


浩二が軽く舌打ちをするのが見えた。