「だからさ、篝、……早く迎えに来てよ」 力が抜けて、へたりと床に座り込んだ。 かすれた声は、きっと彼には届かない。歪んだ視界に見えた、吐いた息は白かった。 だんだんとぼやけてくる記憶にぞっとする。ずっと覚えていられるなんて、思い上がりだと思い知る。 私が好きだった彼はもういない。信じられずに面影を追ってしまうのは、そんなに悪いことだろうか? きっと、彼には怒られてしまうけれど。