仁坂は呆れて追いかけてこない。

それにホッとして息を吐く。

「ね、やっぱりしのちゃんって仁坂くんのこと好きなの?」

その束の間、まどかちゃんからストレートの豪速球が飛んでくる。

「ち、違っ!いや違くはなくて、ただ人として好きってだけで・・・そのっ」
「何その反応ー!前から怪しいなーって思ってたけどやっぱりそうなんだ!ちょっと詳しく話してみてよ」

目をキラキラさせているまどかちゃん。

一応他のクラスメイトには聞こえないように声量を絞っている。

「・・・も、元々人として好きだったのは本当なの。ずっとそう思ってたし。でも昨日いろいろあって・・・好きだなぁと思っちゃって・・・・・」

そのキラキラには弱く、しどろもどろになりながらそう伝えた。

「でもね!?釣り合わないの分かってるし、仁坂からしても迷惑だし、そこら辺ちゃんと分かってるから。だから淡い期待とかしてないんだよ」

それを寂しく感じつつも笑う私の肩をまどかちゃんはガシッと掴んだ。

「しのちゃんは可愛いからねっ?釣り合わないわけないから。私は全身全霊で応援する!」
「・・・うん。ありがとう、まどかちゃん」

まどかちゃんはこんな私のためにそう言ってくれている。