偲・・・。

大好き。

もうこんな目に遭わせないから。
守るから。絶対。

その言葉だけで俺は今までにないくらいに満たさせる。
満たされすぎて泣きそうなくらいだ。

偲の震えが治まったのを感じ、そっと離した。

これ以上抱きしめてたら別の意味でどうにかなりそうだし。





仁坂にそっと離され私は急いでシャツのボタンを締め出す。
仁坂の視線が傷に向いたことに気づいた私はパッとその傷を隠した。

「み、見た・・・?」
「ごめん」

視線を逸らされての謝罪。

もしかしたら、さっきの子達の言った通りなの・・・?

「こんなもの見せちゃってごめんね。・・・・・・気持ち悪いって思った?」

仁坂はそんなこと思わないって確信したかった。

ずるいよね、こんな聞き方。

返答が怖くて、体にグッと力が入る。

「? 俺が偲のこと気持ち悪いって思うわけないじゃん」