そういう人は大体目で分かる。

俺じゃない俺を見ている。

気分が悪い。

その声にうんざりしつつも、偲のことを思い出し気持ちをリフレッシュする。

が、次の瞬間背中に衝撃が走る。

「はよーっす!2日も休んで何してたんだよ!つか今日はご機嫌じゃんか」

俺の背中をバシッと叩いて話しかけてきたのは竹崎亮介(たけざき りょうすけ)。
亮介は幼なじみで親同士は交友関係にある。

「・・・俺そんな分かりやすい?」
「少なくとも俺からすればな!もしかして例の偲って子絡み?」

亮介が偲って言った瞬間眉毛がピクっと反応した。

「馴れ馴れしく呼ぶなって言ったよね?偲って呼ぶのは俺だけで十分だから」
「ハイハイ、そんなに睨まなくても分かってますよー」

そんな俺の様子を見て亮介は笑い出す。

何がそんなに面白いんだか。

「で、まじで何があったんだよ」
「・・・・・・・・・・・偲が、俺の家に住むことになった」

視線を逸らしながらできるだけぶっきらぼうにそう言った。

変に動揺するとかダサいじゃん。

「はぁぁ!?まじ!?え、同棲!?!?おめでとう?!??」
「うるさい」