だって颯の体結構がっしりしてんだもん。

うっわ私変態。今のセクハラじゃない?

人としてダメなやつでは?

「今更何照れてんの?」

私の気持ちを見透かしたように颯が耳元でそう囁く。

そのせいで顔だけではなく耳まで熱くなる。

果たしてこの先私はこれでやっていけるのだろうか・・・。

「そういえばさ、さっき仁坂くんのこと颯って呼んでなかった?」

まどかちゃんナイス!流れ変えてくれた!

「うん。昨日颯にお願いされて」
「へぇいいじゃん!カレカノ通り越して夫婦っぽい」
「夫婦て。気が早いなぁ」

夫婦という言葉でふと前に颯に言われたことを思い出す。


『偲はさ、俺の婚約者になるのとお手伝いさん、どっちがいい?』


どっち・・・か。

あのときの私は迷いなくお手伝いさんを選んだけど、今だったらどうするんだろう。

婚約者・・・いや気が早すぎない?