伊吹「やっぱりこれは、みーちゃんが持っておくべきだった」


美桜「うん?」


伊吹「はいこれ」


美桜「なにこれ、手紙?」


伊吹「読んでみて」


美桜「うん」




美桜へ


これを読んでるってことはもう俺はいないかな?


俺は美桜になにか残せたかな?


これは、俺達家族の話。美桜は知らないこと



俺と美桜は元々双子だった。でもお母さんが1人しか育てられなくて、俺は、三浦家に引き取られた。


でも、双子の生き別れは可哀想だって、親同士は仲が良かったから、保育園からずーっと一緒だった。



俺たちは早産で早く生まれた。


俺は生まれつき腎臓が悪くて、美桜は心臓。


美桜は移植でなんとかなるってお医者さんに言われた。


でも俺はどうにもならないって言われた。


唯一見えた光が、美桜の心臓になることだったんだ。


だから、俺は決めた。


美桜の心臓になって一生、一緒に生きていくことに。


たまに、デートを断る時があっただろ?あれは、俺が入院してたからなんだ。


ごめんな


もう、俺には謝ることしか出来ない。


先に逝ってごめんな。


でもな?美桜俺は、お前の心の中で一生生き続ける。


悲しい時、怒ってる時、嬉しい時、幸せな時。俺はずっと美桜のそばにいる。


だから、俺のことは心の片隅にでも置いといてくれたら嬉しいな。


美桜には、俺の分も幸せになって欲しい。


だから、だから、別れよう。


さようなら。愛していました。


三浦 莉久より


何かあれば、俺の弟の伊吹が相談に乗ってくれるから、安心しろ。



美桜「ヒッグ ヒック グスッりーくん...」


ギュッ


伊吹「大丈夫。りくにぃは、みーちゃんのこと恨んでないよ」


美桜「うわぁーーーん!」


伊吹「よしよし」