「出た! 堅物会長!」


千智ちゃんはビシッ!と紅蓮先輩を指さした。


「千智ちゃん、人を指差しちゃダメだって」

「……また貴方ですか。前にも言ったはずですよ。悠は僕のものです」


「私は女の子ですよ!? 悠と親友なのに何が悪いって言うんですか?」


千智ちゃんは紅蓮先輩に臆することなく、強く言い放つ。


紅蓮先輩はなんだろう。なんか……呆れてる?


「僕がヤキモチを妬くからです。……悠、また昼に迎えに来ます。それでは失礼しました」


1時間目開始のチャイムがなる前に、紅蓮先輩は3年の教室に戻って行った。