隣の席の一条くん。

「ありがとう、一条くん。助かったよ」


わたしは、一条くんが持ってくれていたカバンを受け取る。


「…いや。元はと言えば、俺のせいだし…」


エリさんのこと…、まだ気にしてるのかな。

もう別れてるんだし、一条くんがエリさんのしたことで責任を感じることはないのに。


「でも、一条くんがこんなに気にかけてくれる人だとは思ってなかった!…って、失礼だよね」