隣の席の一条くん。

じゃなきゃ、保健室からの帰りや今みたいなこと、普通ならしないはずだし。


「一条くんって、もしかして弟か妹かいる?」

「なんで?」

「だって、面倒見いいからさ」

「いや、いない。兄貴ならいるけど」


…あれ、違った。


そんな話をしている間に、わたしの家に着いた。

いつもなら歩いて15分ほどの距離なのに、今日はその倍かかった。


でも、一条くんがいなかったらもっとかかっていたに違いない。