隣の席の一条くん。

一条くんの家の場所は知らないけど、たぶんわたしと同じ方向ではない。


なのに、一条くんはなにも言わずに、わたしに肩を貸してくれた。

わたしもそれに甘えて、一条くんの肩に手を添えて、いつもより遅いペースでゆっくりと家に向かっている。


初めは、こわいイメージだった一条くん。

でも、隣の席になって、実はそうでもないということがわかって――。


今回ケガをして、実は女の子に優しくて、面倒見がいいのだと知った。