隣の席の一条くん。

…やっぱ見えるんじゃん!


「それじゃあ、先生。花宮さん連れていきます」

「うん。気をつけてね〜」


先生も先生で、にこやかに手を振るだけだった。



「…一条くん、ありがとう。もう大丈夫だから、下ろしてっ」


さすがに、このまま教室に入るのはマズイ。


だから、教室の手前で下ろしてもらった。


教室に戻ると、彩奈と爽太くんがすぐさま駆け寄ってきてくれた。