隣の席の一条くん。

ただ、わたしは自分の気持ちに正直でいたかっただけ。


たとえ相手が社長であっても、この恋を終わらせるつもりはない。



社長は、わたしの話を目を逸らさずに聞いてくれていた。

しかし、重いため息をつく。


「…ひらりの気持ちはわかった。だが、“恋愛禁止のアイドル”という肩書きを売りにしている以上、ひらりの好き勝手にさせるわけにはいかない」


社長の言葉は、わたしに重くのしかかる。