隣の席の一条くん。

そう言うと、一条くんはわたしを抱き寄せた。


「好きなヤツがそばにいて、キスねだられて…。断れるわけねぇだろ」

「一条くん…」

「本当に…俺でいいの?」

「うんっ。一条くんがいいの」


一条くんが、そっとわたしの顎に手を添える。



ゆっくりと目を閉じ、まるで夢の中にいるような心地。


今だけ…。

今だけは…アイドルじゃなくて、ただの1人の女の子でいさせて。