隣の席の一条くん。

「俺も、周りの目も気にしないで、こんな俺に話しかけてくれる花宮さんだから好きになった。俺だって、本当は花宮さんを独り占めしたい」


一条くんの瞳は、まっすぐにあたしを見てくれていて――。

初めて、お互いの気持ちを交わせたような気がした。


「手を繋ぐのも抱き合うのも、演技だからしょうがないって思ってた。…でも、あいつに花宮さんのファーストキスを奪われるのだけは……、ちょっと無理」