隣の席の一条くん。

そして、わたしは一条くんの両手を握った。


「わたし…本気なの。お芝居だったとしても、怜也にキスされるのはいやっ。初めては……、好きな人がいいからっ」


わたしが訴えかけるように話すと、なにかを悟ったのか、さっきまで冗談だと軽くあしらっていた一条くんの表情が一変した。


「花宮さん…、もしかして……」

「これだけ言っても…まだわからない?わたしが好きなのは、…一条くん。だから、初めてのキスは、一条くんがいいのっ」