隣の席の一条くん。

待って…一条くん。

…なにか勘違いしてる?


わたしは怜也のことなんて、なんとも思ってないのに…。


「一条くんは、イヤじゃないの…?」

「…え?」

「わたしが…たとえお芝居とはいえ、他の男の人とキスするの……」


気持ちのないキス。

だけど、演技中は役に気持ちを乗せてキスをする。


どのようなものであれ、わたしが怜也にファーストキスを奪われることに変わりはない。