隣の席の一条くん。

こんなのがファーストキスだなんて…、絶対にいやだっ。


新しく変更になった脚本の紙を、くしゃりと握り潰した。


そんなわたしのもとへ歩み寄ってきたのは――。


「聞いたかい?ひらり」


茶髪の前髪をかき上げる、怜也だった。


「脚本のこと…?」

「そう。まさか、最後にキスシーンが入るなんてね」


怜也は、これまでの出演作の中ですでにキスシーンは経験済み。