隣の席の一条くん。

「悔しいもなにも、ほんとのことじゃん。不良の俺が花宮さんに勉強教えてるとか、普通に考えて不釣り合いだろ」

「そんなことな――」

「それに…ここ、図書室だから。静かにな」


口元に人差し指をそっと当てられた。


あんな勝手なこと言われて、怒ったっていいのに…。

一条くんは、まったく気にしていないといった様子。


「一条くんと話したこともないのに、勝手なことばかり言って…」