隣の席の一条くん。

「そうだよね〜。それに、あの人って……学校一の不良でしょ?そもそも、ひらりちゃんに釣り合わないかっ」


わたしたちには聞こえないようなヒソヒソ話のつもりだったかもしれない。


だけど、ここは図書室。

静かな空間に、その言葉たちはいやってほどにわたしの耳に入ってきた。


わたしに聞こえたということは、隣にいる一条くんにもきっと――。