「芽衣」
「⁉」

突然腰を指先でそっと撫でられて目を丸くする。

「本当に綺麗だな。できるものならその姿で抱きたい」
「ちょ」

顔を上げるとタキシード姿の快は既に私を見ておらず、満面の笑みを浮かべてみんなに手を振っていた。

(こんな神聖な場所で、快ってば……!)

あとで一言言わなくちゃ、と心に決めて私もなんとか笑顔を浮かべる。
長い年月一緒に過ごしついに立場は夫婦になったけれど、こんな感じで私は今でも快に翻弄されっぱなし……。

(でも、それが楽しくて刺激的なんて……調子乗りそうだから、口が裂けても言えないけどね)

快といると、力が湧いてくるし、自分を信じてみようと思える。
今までは私がもらうばかりだったけど、そろそろ私も快に与えられるような人になりたいな……そんなことを思いながら、みんなからの祝福のシャワーを幸せな気持ちで浴びていた。