「いっ、一之瀬くん!!」
なんと、一之瀬くんが私の右肩に顎をのせていた。
澄野くんのところへ行っていたはずが、いつの間に!?
「前から気になってたんだけど。それ、もしかして美月の手作り?」
「そっ、そうだけど?」
「へぇーっ。弁当いつも自分で作ってきてるって、偉いな」
優しく微笑む一之瀬くん。
「おっ、親が共働きだから……せめてお弁当だけでも自分でと思って」
手作りと言ってもだいたいは、昨日の夕飯の残り物をつめたり、冷凍食品がほとんどだけど。
今日だってかろうじて手作りって言えるのは、おにぎりと玉子焼きくらい……。
あとはウインナーに、ミニトマトとブロッコリー、冷凍食品の唐揚げをレンジでチンしただけ。
「そうなんだ? なぁ……それ、俺にもちょうだい?」
え?



