「……っ、はぁ……」 私の口からこぼれ出る、安堵のため息。 でも、唇じゃなくて本当に良かった。 「……あれ? 美月、唇じゃなくて残念って顔してる。何なら今すぐしてやろうか?」 「そ、そんな顔してませんっ! もうっ!」 「はははっ。照れちゃって。ほんとお前そういうとこ、まじで可愛いなー」 彼の意地悪な笑顔に、ますます鼓動が速まり焦りだす。 一之瀬くんってば、絶対に楽しんでる。 もう、ほんと、心臓がもたないから。 こんなふうにからかうのは、やめて欲しい。