【朝陽 side】
俺は今日、1年間ずっと想い続けてきた女子に告白をしようと、彼女を中庭に呼び出した。
昼休みもそろそろ終わる頃だからか、幸い周囲に人はまばらだ。
彼女の姿を目にしたとき、ちゃんと来てくれたのだという嬉しさが込み上げてくる。
そして今、いざ彼女を目の前にして、俺の心臓のドキドキは最高潮に達している。
彼女の、肩まである艶々の漆黒のストレートの髪が、時折風で揺れる。
いつ見ても絹みたいになめらかだ。
眼鏡のレンズの向こう側にある、二重のくりっとした大きな瞳。
雪のように白くきめ細やかな肌と、ぷるっとした形の良い桜色の唇。
やっばい。改めて見ると、彼女は息をのむほど綺麗で。
告白する前なのに、俺はつい見惚れてしまった。
──ゴクリ。
俺は、溜まった唾を飲み込む。
そして深呼吸して、覚悟を決めると。
今の彼女への気持ちをストレートに伝えた。
それなのに……。



