ぼやける視界でも分かる。 少女漫画に出てきそうな美少年が、目の前で私を見定めるようにじろじろと見てくる。 「ふーん。なるほどね」 なるほどって、何が!? すっと顎から澄野くんの手が離れ、私はホッとした。 「遠目で見たら、朝陽と釣り合わないって思ったけど……。こうやって間近でしみじみ見ると、古賀ちゃんってけっこう可愛いね」 なっ……! 釣り合わないって言ったかと思えば、今度は可愛いって! 軽い! もしやこの人も、一之瀬くんと同類!? 私は一気に真っ赤になった頬を、手のひらでおさえる。