「はい。美月ちゃん、あーん?」
「う……」
口元まで運ばれたら、食べないわけにはいかない。
照れくささを感じながらも、彼の指からパクリとクッキーを食べる。
「あーやば。俺の彼女、めっちゃ可愛い」
嬉しそうにまたひとつ差し出され、ドキドキしながら食べさせてもらう。
そのときに朝陽くんの指が、どうしても唇に触れてしまって。
クッキーを食べさせてもらうたびに、ドキッとしてしまう。
「いっつもだけど、お前すぐ頬が赤くなるよな。また照れてんの? まじかーわいい。
つーか俺、さっきから可愛いしか言ってねぇかも。みつのせいで口癖になっちまう」
口癖……か。私はむしろ、『かっこいい』が口癖になりそう。
「やばっ、これ超うまっ! 美月って、作るの何でも上手だな」
私のクッキーを食べて、極上の甘い笑みを浮かべる彼。
お互いに、何度かクッキーを食べさせ合ったあと。
「クッキーの次は……美月だな」



