「みつだけの、特別席」
「え? でも、ここ教室……」
「大丈夫。扉の鍵は2つともかけたし。
旧校舎だから、そうそう人もこないって」
そういう問題では……。
「ほーら、早く! 美月ちゃん?」
朝陽くんは、もう一度自分の膝の上をぽんぽんと叩く。
「早く座らないと、ご飯食べれないよー?」
「もぉー、またそんなこと言って」
私はドキドキしながら、朝陽くんの膝に横座りで腰を下ろす。私、重たくないかな?
すると、すかさず支えるみたいに、私の背中に朝陽くんの手がまわった。
真後ろに、朝陽くんが……!
すごい、密着。
「は〜。やっと、みつと2人きりになれた。
しかもみつ、すごくいい匂い。何これ、シャンプー?」
朝陽くんが私の髪に頭をうずめ、すんすんとさせる。
く、くすぐったい。はっ、恥ずかしい……。



