「……まったく。教室なのに見せつけてくれちゃって」


呆れたように、成宮さんがため息をつく。


「茜がずっと好きだった朝陽くんに、彼女ができたのは妬けちゃうけど……2人はお似合いよ。おめでとう、美月」

「ありがとう、成宮さん」


まさか、あの成宮さんが祝福してくれるなんて……胸にじんとくる。感激だなぁ。


「みっちゃーん!」

「わっ!」


七星がこちらへ来た途端、ギューッと私を強く抱きしめてくれる。


「みっちゃん、おめでとうー! ほんと良かったね! あたしまで嬉しいよ」


自分のことのように喜んでくれる七星。


「ありがとう、七星ー!」


ああ。七星は、今日もほんと可愛い。


「今度一之瀬くんと一緒に、あたしのバイト先のケーキ屋さんにも来てね? お祝いにケーキご馳走するよ?」

「え、いいの!? ありがとう!」

「またあとで、昨日の告白の話、詳しく聞かせてね??」


七星に耳元でこっそりと言われて、思わず赤面する。



──朝陽くんが私の彼氏だなんて、まだ夢みたいだけど。


朝陽くんが、彼女宣言してくれて。


こうして、友達が祝福してくれて。


彼と本当に付き合うようになったんだなって、これでやっと少し実感が湧いてきたかもしれない。